EU議会選挙とスウェーデン海賊党
日曜日にEU議会選挙が終了し、数週間も前から予測されていたようにスウェーデンの海賊党が議席を得た。スウェーデンにあてがわれた18議席のうちの1議席だが、党は勝利を宣言している。
海賊党は2006年に結党されて以来、党員は微増していたが、ファイルシェアリングサイトのPirate Bay裁判が世界中のコンテンツ業界で騒がれたことが功を奏して一気に支持率を上げた。スウェーデン国内の7%の投票を得て、国内第3の党に成長した。
海賊党はPirate Bayとは無関係であるとしているが、サイトを承認している。Pirate Bayの被告の弁護士は裁判官が権利者団体役員であったことを理由に再審請求していたが、旗色は悪い。裁判所は、裁判官の兼職は著作権の知識を深めるために必要だと理解されるべきで、判断に問題があったことの証拠にはならないとした。裁判所は完全に権利者側の意向に沿った判断をしているが、海賊党は今後この流れを変えることができるだろうか。
海賊党の公約は、著作権法の大幅な改正、特許権の撤廃、そしてオンラインプライバシーの向上で、特に著作権は、非営利目的の著作権保護されたコンテンツの利用は自由にすべきとしている。
今回のEU議会選挙の投票率は、過去最低だったようだ。27カ国のEUメンバー全体で42%。スロバキアは最低でわずか19%だったようだ。ドイツでは投票の義務化させ、罰金制度の提案がなされている。投票者はEUの重要性は認識しているものの、投票することの重要性を各政党が説得し切れなかったようだ。各国は問題があるとEUに問題転嫁する癖もある。
また、未曾有の経済の停滞で投票者は保守政党に傾いたことが共通して見られた。極右政党が善戦したのはオランダ、オーストリア、ハンガリーなど。メンバー各国の有権者がどれだけ似た問題意識をもつようになったかと示してもいる。グリーン党もまた善戦した。有権者は今回の不況はただ経済的なものだけではなく、経済成長至上主義に問題があるのではとの認識が背景にあるのではと分析されている。
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