Twitterが「生き方」を変える
Twitter、アメリカのマイクロブログだが、このサービスの何が凄いのか、何が面白くて自分の朝食のメニューを「フォロアー」にいちいち知らせなくてはいけないのか、よくわからない人も多いと思う。
あの堀江貴文がTwitterを始めて、2000人がフォローしたというニュースもあったから、日本でも使っている人も少なくないようだ。
アメリカのタイム誌が、Twitterが急成長している理由を長々と解き明かそうとしている。それを要約してみたい。
TwitterはBlogger.comを始めたEvan Williamsが2年前に立ち上げた。当初ブログというものが脅威だと捉えられたのは、読者のアテンションスパンが短くなり、長文の記事や本を読まなくなるのではないか、というものだった。Twitterは長くても2文しか書き込めない。
Twitterユーザーが発見したのは、友達が朝食に何を食べたか、というような些細な出来事を知らせるということに思いがけない深さがあったということだ。友人と会話する際、調子どう?という感じでなにげなくその人が何をしているか聞くことが始まりであることが多い。Twitterは質問することもなく、その答えを提供している。つまり、人は友人が何をしているか、近況を知りたがるのだ。
更にミーティングやカンファレンスでTwitterを導入することで、その会議に出席している人以外の不特定多数のユーザーがリアルタイムで参加することができる。理路整然とした議論という形ではなく、ラフな会話のスタイルでジョークなども混ざったそれらの投稿は、全て合わせると膨大な量になり、リアルタイムのみでなく後で議論がウェブ上で続く。
ニコニコ動画にリアルタイムコメントができるが、ひとつの動画についてのリアルタイムコメントでは、参加するユーザーの範囲は狭いが、Twitterはほとんど全ての事柄についてリアルタイムで、コメントではなく「会話」ができる。2ちゃんねるに近いが、TwitterはモバイルやPCを使うすべてのユーザーが「今現在」を共有する。モバイル画面で2ちゃんねるが可能なのだ。
2ちゃんねるのスレッドはひとつのテーマで立てられるが、Twitterはユーザーそのひとの人物中心だから、匿名性がない。よって著名人のフォローが自然と多くなる。
ネットが個人にメディアを与えることで、国民全体がひとつの出来事をシェアするということが少なくなったが、Twitterをそれを可能にしている。シェアするだけではなく、それについて会話をする。もちろん誹謗中傷めいた幼稚なものも多いが、逆に真剣な会話も存在する。
また、Twitterの投稿でウェブのリンクを張ることも多く、かつてGoogleに独占されると見られていたウェブトラフィックは、リアルタイムウェブからのものが増加している。Googleの検索順位は被リンクの数を見るため、古いページが優位であることが多く、「今現在」何が話題であるのかサーチするには適していない。
Twitterの新機能やアプリケーションはTwitterがビジネス戦略を立てて作ったものではなく、Twitterユーザーが作ったものだ。Twitterを使うビジネスもどんどん増加し、自然増殖している。
機能が増えることで、ユーザーはその機能でできることを勝手に創造する。モルドバ共和国の反共産党運動もTwitterではじまったし、中国ではそうした政治的な運動を心配して天安門事件の20周年の前にTwitterの使用が禁止された。将来、あらゆる情報チャンネルがTwitter化することも十分にあり得る。検索も、広告も、ソーシャルネットワークを中心に行われる。

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