2009/05/25

本のデジタル化 今度は本当?

音楽、映像に続いて本がいよいよ本格的にデジタル化するのか。電子書籍の可能性は随分前から予見され、複数のメーカーから電子書籍専用端末が発売されたがすぐに生産中止となった。購入可能な書籍数の少なさが壁となった。

それでも日本では市場規模はまだまだ紙媒体に比較すれば小規模だが確実に書籍の電子化は進んでいる。特に携帯にダウンロードする方法がメジャーだ。

海外では、ネット小売りのAmazonが今夏に販売開始予定のKindle DXに期待が寄せられている。Arizona State Univ.のAdrian Scannierなどは、Kindle DXが期待され続けてきた書籍革命を本当に起こすと見ている。それはKindle DXの技術からではなく、Amazonの圧倒的な流通市場のシェアと、Kindle DXに協力するメジャーな出版社の存在からだ。Kindle DXには、アメリカ教科書書籍市場の60%を占める出版社3社、Cengage Learning、Pearson、Wileyが協力する。Kindle DXが書籍版のiTunesとなれると見ている。




ビデオの通りKindle DXのサイズは大きい。3500冊分の書籍を保存でき、275,000冊の書籍がKindle Storeで販売されるらしい。ニューヨークタイムスベストセラーも112タイトル中107タイトル入っている。価格は489ドルだ。

大きさは新聞や雑誌まで様々な媒体を網羅するためで、電子書籍端末にある目の疲れもないらしい。スクリーンはPCスクリーンのようではなく、本物のインクのように見えるらしい。

販売される書籍はAmazonで紙媒体を購入するよりも35%ほど安く設定されるようだ。

それでも英国図書館のStephen Buryは書籍革命には否定的だ。まず価格が高すぎることで、購入に積極的になるのは55歳以上ではないかとしている。さらに本当の本好きならば図書館で本を見つける楽しみを忘れられないだろうと。

また、問題点として情報格差も心配されている。高額な端末が普及することで安価な書籍の流通が減少し、知識を得ることが経済的弱者には難しくなるのではないかという。アフリカ諸国ではこの問題に敏感で、ネットアクセスもまだ3%程度で通信費も高額な地域では、子供たちの教育の観点から著作権侵害の特例を設定すべきだとの声もある。

Kindle DXはまだアメリカのみで販売中だ。

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