2009/06/21

ジェイミートーマスに2億円の支払い命令

全米初のファイルシェアリングの陪審員裁判として注目されていたジェイミー・トーマス裁判の再審の判決が出され、陪審は24曲のファイルシェアリングに賠償責任を認め、トーマスに192万ドルの支払いを命じた。

2007年10月に最初の判決が出されたとき、賠償金額は22万2000ドルだった。その判決は陪審員への指示が徹底されていなかったとして無効とされた。全米レコード協会は3万を超える個別の訴訟をP2P利用者に起こしてきたが、そのほとんどは数千ドルで和解となっている。トーマスは和解せず、P2P裁判で初めて陪審員を入れた裁判となった。

32歳のトーマスに192万ドルも22万ドルも支払う能力はないし、トーマス自身ももし支払いが可能だったとしても拒否すると発言している。賠償責任を認められた曲ひとつにつき、8万ドルの支払いとなったが、トーマスもトーマスの弁護士も、賠償責任があるとしても法定賠償金の最低額の1曲につき172ドルだろうと予想していた。

トーマスに残されたオプションに自己破産の申請がある。自己破産の法廷では、課された賠償金を無効にするためには、侵害が故意ではなく、且つ損害を加える意志がなかったことを証明できればいい。著作権裁判ですでに侵害が故意であったと判断されているが、音楽レーベルに損害を加える意志があったとは判断されていない。よって自己破産で賠償金が無効となる可能性がある。

音楽レーベルなど権利者が個人を対象に著作権侵害訴訟を起こす場合、この点に留意する必要がある。P2P利用者はダウンロードが違法であると知っていても、業界に危害を加えようとして利用する場合は少ない。

全米レコード協会もその点はわかっているようで、和解の提案を何度もしている。侵害が故意でないならば、トーマスは間違いなく自己破産で賠償を免れる。侵害が故意であったとされたため、自己破産法廷で再度争う必要がある。協会は和解を求めているが、トーマスはどう出るのか。

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