ダウンロードの10年間 その5:モバイルの10年間
theglobeandmail.comの特集「ダウンロードの10年間」の第5弾は、次の10年間を予測する。その主役はモバイルだ。興味深い記事なのでぜひ全文を読んでみてください。
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「コンピューターが過去20〜30年間を変えたエンジンだとするならば、今後10年を変えるエンジンはモバイルだ。」マイケル・ジョーンズは言う。
メディアコンテンツを1と0の数字に変換して世界に滞りなく一瞬で転送する技術は、基本的に消費者がコンテンツを享受する方法を変革した。PCはただのタイプライターではなくなり、メディアを消費し、またコンテンツを世界に発信するハブとなった。
そのハブを使えば、誰でもアーティスト、作家、ビデオグラファーになれる。2008年にネット上にアップロードされたデータ量は4870億GBにもなる。2時間の映画がだいたい700MBだから、映画6960億本の計算になる。2012年までにはデータ量はこの5倍になることが予想されている。
物質的メディアコンテンツを製作してきた古いメディア企業は、この新しい現実に対処を迫られている。収益を出しながらどうやってデジタルコンテンツを製作していくかが、生き残りの条件になる。
CDはiTuneと違法コピーに飲み込まれ、DVDもオンデマンドやネットを介在した提供モデルに飲み込まれることが確実だし、Kindleは出版社を追いつめる可能性に満ちているし、新聞は増々読者に課金することが難しくなっている。
デジタルメディアの将来は基本的な2つの課題を中心に進む。消費者はどうやってコンテンツを享受するのか。そして、誰がそのコンテンツの製作費を支払うのか。
ネットで無料で手に入れられるコンテンツをお金を出して買おうとするひとは少数派だ。iTuneで50億曲が販売されたが、95%のデジタル音楽は違法コピーからのダウンロードだ。「無料」は、新しいメディアの現実だ。遅かれ早かれ、デジタルコンテンツは無料になるか、無料と競うことになる。
広告収入がその代替となることが現在予想できる主な収入源だが、世界的大不況で広告出稿は全産業で落ち込んでいる。景気が回復する頃には、もっとたくさんのデジタルコンテンツが広告とセットになっているだろう。
次の10年は、モバイルが支配する。BlackBerryやiPhoneといった機器は、PC体験を跳ばしてコンテンツをいつでもどこでも享受できることを可能にしている。
アップル社は昨年全米でiPhone3Gをリリースすると同時に、アプリストアもオープンさせ、ユーザーがiPhoneの中身をコントロールできるようにした。ゲームやその他のソフトを無料や有料でダウンロードでき、自分のiPhoneをカスタマイズできる。iPhoneに続けとばかりに他の携帯会社はアプリストアをオープンさせている。
そのアプリの中にはすでに消費者のコンテンツ享受の方法を変革しているものもある。Slacker Radioなどのネットラジオアプリは音楽ファンに新しい新人アーティスト発掘の方法を提案しているし、2年後には子供は全員スマートフォンを使用する。音楽の次はビデオだ。すでにNHLを生中継で見れるようなサービスもある。他にもSNSとGPSを組み合わせたものや、音楽ダウンロードとコンサートチケット販売を組み合わせたサービスがある。人々のメディアコンテンツとの関わり方を変革してる。
世界人口の6人に5人はネットアクセスがない。次の10億人にネットアクセスがもたらされる時、彼らはPCを跳ばしていきなり携帯に入る。新しいアイデアや経験が、とてつもない影響をメディアの革新にもたらす。
約10億人がネットに生活の隅々まで依存している。ネットアクセスがあるということは、人間であることの一部であると言えるところまで来ている。

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