2009/05/08

スペイン、もうひとつのP2P大国

P2Pユーザーの多い国としてここ2ヶ月ほどPirate Bay裁判で世界中の注目を集めていたスウェーデンに並び、P2Pネットワークでの著作権侵害の盛んな国がスペインだ。オバマ政権が先日発表した知的財産権保護の取り組みの甘い国々をリストにしてあげた301レポートの中でも、先進国として名を連ねていた。

TorrentFreak.comがそのスペインの事情を解説している。スペインでは、P2Pネットワークを使用したファイルの交換は合法であり、かつPirate BayのようにP2Pシステムのリンクを検索できるサイトも、著作権侵害を助長するという判断はされていない。MPAA(全米映画協会)によれば、映画のダウンロード数は昨年一年間で3億5,000万回もあったらしい。更にゲームは5,000万タイトル、音楽に至っては20億曲ダウンロードされたとのこと。67%のネットユーザーがP2P経由で無料コンテンツを入手し、24歳以下に至っては81%に上がる。

スペイン政府も何もしていないわけではなく、ファイルシェアリングサイトに対して法的措置を取ってきたが、スペインの著作権法では有罪とすることがかなわず、被告は例外なく無罪となっている。

アメリカはスペイン政府への圧力を強めており、コンテンツ業界とISPとの間でスリーストライク法に似た制裁の取り決めを促している。それが法律でかなわないなら、法律を変えるべきだとしている。

それでも、スウェーデンのPirate Bay裁判の有罪判決はスペインに影響を与えているようで、ED2Kと呼ばれる種類のP2Pリンクサイトが二つ裁判所命令によって閉鎖されている。スペインの音楽業界団体が起こした民事訴訟の結果となっている。

無料コンテンツを公明正大に享受してきたスペインのユーザーも黙っておらず、業界団体の事務所前などで海賊版CDを配布するなどデモを起こしている。

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