ブログが新聞に取って代わる日
アメリカでは次々と地方紙が閉鎖している。デンバー、シアトルなどに拠点を置く地方都市の有力紙が新聞の発行を停止している。替わりに出てきているのが役所のプレスリリースやブログ記事を集めたサイトだ。
日本でも既に起きている現象だが、既存のニュース発信をする新聞社などの組織よりも、ブログの情報の方が早く、詳細に特定の事件事故を記述している場合も多い。
一部では日本のブログ人口は世界一だという調査もあり、もっともっとブログというメディアが既存報道機関を凌ぐ調査伝達能力を見せてくれてもいいと思うのだが。日本のブログは情報発信というよりは、アフィリエイトとして、マーケティングツールとして使用されているケースも多いと思う。しかもアクセス重視で内容が伴っていない。更にアダルトサイトへの誘導を目的としたアフィリエイトが圧倒的に多い。ブログ人口を増加させた一番の要因はこのアダルトアフィリエイトではないかと個人的には思う。一時期、これで簡単に儲けたアフィリエーターも多かったが、最近はこの増加にも歯止めがかかったのではないか。増え過ぎて簡単ではなくなっているからだ。
日本ではこれからも既存メディアが力を持って情報発信していくことは間違いない。地方に行けば行くほど過疎化は深刻化しており、ネットを情報源として使用している人口も極端に低い。そこではこれまで通り地方紙が毎朝届ける情報が一番の信頼できるソースということになる。アメリカのようにはいかない。
積極的に自分の街の情報を発信していこうとするアメリカの地方の一般人が多いのに対して、日本のブロガーたちの文化の違いは歴然としている。誰も気にしない小さな街の情報など発信するよりも、全国的にテレビなどで取り上げられた話題を掘り下げる方が面白い。誰もが共有できる情報に飛びつく。
ネットが最もターゲティングに適したメディアだとするならば、日本のブログ文化はそれを十分に生かし切れていない。ブログが個人の情報発信メディアとして成熟し、新聞にとって代わるほどの情報の量と質を提供し、一般に認知されるようになるまで、一体どれくらいかかるのか。個人が個人として社会的な強者となれるツールがインターネットなのだから。

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