リアルタイムウェブとグーグル
SNSやTwitterなどのマイクロブログは、リアルタイムウェブと呼ばれる。今現在何が話題になっているか、「今」を追求したのがリアルタイムウェブだ。よってこうしたサービスで飛び交う情報の賞味期限はもの凄く早い。
グーグルはこのリアルタイムウェブの脅威を認めている。アナロジーとして、大学生が図書館でリサーチするのがグーグルなのに対して、大学生がカフェなどで友人などと会話をするのがリアルタイムウェブだ。逆に言えば、何か調べものをする際にはリアルタイムウェブは全然適していない。
グーグルの検索機能は、このカフェでの会話を拾い上げることを主眼としていず、リアルタイムウェブの急進的な成長で明らかになりつつあるWeb3.0に遅れているとも見ることが出来る。YouTubeを買収したようにTwitterを買収することで解決を図ることもできるが、Twitterは身売りしないことを宣言している。世界制覇を目論むグーグルが何もしないということはないはずだ。
ウェブが「今」に標準を合わせようとしていることは、著作権侵害の分野にも影響を及ぼしている。
リアルタイムウェブで紹介された著作権を侵害するビデオなどは、一瞬にして多くのユーザーに伝達され、権利者が気付く頃には視聴し尽くされているといったことも起こりうる。視聴数がゼロ回から100万回までの到達スピードはどんどん早くなっている。ウェブ上でのリンクの大部分が、こうしたリアルタイムウェブでのリンクとなっている。
アメリカのDMCA法は、権利者が権利侵害を常に追いかけるようにデザインされていると見ることも出来る。ビデオ配信サイトのJustin.tvは、プロスポーツからしばしば試合の生中継をユーザーがビデオカメラで撮ったものを配信しているとして非難を受けるが、指摘を受ける頃には問題の配信は終了していることが多い。
また、Twitmaticは、Twitterで今現在どんなビデオが一番視聴されているかを検索できるサービスだが、権利者の指摘を受けて削除されたビデオは一切ないとCEOのPatrick Koppulaは言う。つまり追いついていないのだ。
しかし逆にこうしたビデオ配信サイトがリアルタイムで著作権侵害をモニタリングし始めると、DMCA法がサービスプロバイダーに不利に作用する。つまり著作権侵害コンテンツをアップロードしたユーザーの責任ではなく、配信したSPの責任が問われるようになってしまう。
ちなみに北京オリンピックの映像がYouTubeで流れなかったのは、VobileとAttributorというモニタリング会社が逐一記録していたかららしい。
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