ネット検閲、最悪の国々
ニューヨークに事務局を置くCommittee to Protect Journalistsが、「ブロガーにとって最悪の場所」という見出しでネット検閲の厳しい国々をあげている。
「ブロガーは情報革命の先頭に立っており、その数は急速に増加している。」ディレクターのジョエル・サイモンは言う。ブログメディアは既に既存報道メディアを凌ぐほどの情報を発信し始めており、海外では非常に高く評価されている。その一方でアジアや中東の国々では政府に批判的な投稿をするブロガーへの検閲も厳しくなっている。お隣韓国でブロガーが逮捕起訴されたことは記憶に新しい。
第1位に選ばれた軍事政権の続くミャンマーのネット検閲は非常に厳しい。政府はネットアクセス自体の普及に消極的で、ほとんどの市民はネットカフェなどでオンラインとなるようだ。こうしたネットカフェへの検閲も厳しく、Eメールなども政府フィルターを通される。少なくともブロガー2人が刑務所に入っている。
第2位のイランは、政府やイスラム教への批判の検閲が厳しい。ブロガーは自分のサイトを当局に登録せねばならず、背教や売春や腐敗を導くと判断されるブロガーには死刑が適用される。
第3位のシリアも反政府的投稿するネットユーザーは拘束されるなどの処置がある。ネットカフェ利用者の身分証を提出させるなどの対策を講じている。
キューバでは、共産党の党員か共産党関係の人間にしかネットアクセスがない。一般の人々はホテルやネットカフェを利用する。
サウジアラビアも既に数百万の“有害”サイトを閉鎖したとしており、影響力のある宗教指導者も、違反者にはむち打ちや死刑などの制裁を提案している。
ベトナム政府はネット事業者にブロガーの情報提供を要求しており、昨年にはブロガーが脱税の罪で30ヶ月の懲役の判決を受けている。
チュニジアでも、ISPに登録ユーザーのIPアドレスや個人情報の提出を義務づけている。
3億人のネット人口を抱える中国の検閲システムは世界でも比類ないほど完成されており、少なくとも24人が刑務所にいる。
トルクメニスタンでは、2007年に初めてオープンしたネットカフェが軍によって警備されたという。検閲も完備されており、利用料も高額だったようだ。
エジプトでもネットトラフィックの全てが政府検閲を通過する。2008年のみで100人以上のブロガーが拘束されたらしい。
ネットに国境がないとは言え、まだまだ多くの国々ではネットアクセスがない地域も多いし、政府検閲も厳しければネットが本当の意味でのグローバルビレッジとなる日は遠いのかも知れない。それでも先進国を中心に情報革命が起きているのは事実で、アメリカのボストンでは、有力紙のボストングローブが閉鎖に追い込まれている。日本でもブログメディアの地位の向上に期待したい。
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