2009/05/02

カナダの著作権侵害対策、甘い?

アメリカの通商代表部(Office of Trade Representative)というところが毎年発表している貿易国の知的財産権への保護度をランク付けたレポートが今年もリリースされた。中国とかロシアとか、想像するだけで保護の甘そうな国は当然毎年ランクインしているが、今回アメリカのお隣のカナダが中国やロシアと同等にランクインしたらしい。

レポートは要するにハリウッドやシリコンバレーなどアメリカの主要産業のコンテンツやソフトなどの知的財産権を他国で外国政府に保護するようにケツを叩くもので、12カ国が最重要監視として挙げられている。

中国、ロシア、アルジェリア、アルゼンチン、チリ、インド、インドネシア、イスラエル、パキスタン、タイ、ベネズエラ、そしてカナダだ。

その他にも要監視リストとして33カ国が挙げられている。

ベラルース、ボリビア、ブラジル、ブルネイ、コロンビア、コスタリカ、チェコ、ドミニカ共和国、エクアドル、エジプト、フィンランド、ギリシャ、グアテマラ、ハンガリー、イタリア、ジャマイカ、クエート、レバノン、マレーシア、メキシコ、ノルウェイ、ペルー、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、サウジアラビア、スペイン、タジキスタン、トルコ、トルクメニスタン、ウクライナ、ウズベキスタン、ベトナム。

先進国でこのリストに入っているのは、カナダと北欧の国々、そしてスペインとイタリアだ。北欧ではスウェーデンの例があるように、著作権侵害が犯罪であることの認識が薄いのかも知れない。スウェーデンがこのリストに入ってないのは、Pirate Bay裁判で有罪判決を出し、裁判長が著作権侵害を糾弾する権利者側の業界団体の理事を兼務しながら、それを不問にしようとしているように、政府機関は弾圧に積極的なのだろう。

カナダに関して言えば、私も違法サイトを追う立場にあるからわかるのだが、アメリカにいた違法サイトは南米に逃げ、一部はカナダに逃げたことからもわかるように、カナダの著作権対策では簡単にいかない。ISPへの責任が軽いのだ。アメリカのDMCA法ではISPに対し、著作権を侵害しているデータの削除を義務づけている。カナダのISPはその必要がない。著作権侵害を疑われているユーザーデータを、証拠があっても裁判所命令がなければ開示する必要がない。

フランスでスリーストライク法が再提出された。問題なければ可決されると見られている。世界中の各国政府はアメリカに引っ張られ、知的財産権の積極保護へ舵を切った。

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