2009/04/25

小鳥のさえずりは、時として

今、ネットで最も流行っているのは、Twitterであろう。利用者が急激に伸びているこのサービスは、一言コメント用ブログといったもので、元々の意味「tweet=さえずる」が如く、本当にとりとめのない「つぶやき」を書くために、多くの人が利用している。そもそも140文字という投稿制限があることから、そういった「つぶやき」専用であることが示されており、そのような気軽さ、敷居の低さが、コメント投稿の回転数を上げているのだろう。

特色の一つが、「フォロー」という機能で、ある人を「フォロー」すると、自分のページに、フォロー相手の「つぶやき」が随時更新されていく。現在人気の「つぶやき」は、アラスカの火山情報だそうだ。およそ7600人(4月25日現在)のフォローワーが付いている(alaska_avo)。このフォローワー数が100万に到達することを、著名人が競い合うような事例もあり、急速に利用者数を増やしている。※下記記事参照。
http://journal.mycom.co.jp/column/svalley/315/index.html


こういったサービスをマイクロ・メッセージング・サービスというらしい。Twitterを旗手として、その他にもいくつも同様のサービスを展開している会社がある。Plurkもその一つだが、早速、中国当局に目をつけられてしまったらしい

スカイプもそうだったが、こういった無料のサービスが、ビジネスの現場を劇的に変えてしまうことがある。このマイクロ・メセージング・サービスにしても、これをビジネスの場に活用し、モバイルで、常時コメントを投稿し、例えば営業のチーム単位などでフォローし合えば、誰が現在何をしているかという情報が相互に確認し合える上、ショートタイムでの情報共有も可能となる。営業マンは、携帯導入以来、また更に、昼寝の時間が削られていくということ。

ブログの個人別特性と、掲示板におけるコメントの気安さが一緒になったような、人単位のスレッドとでも言うべきか、あるいは、もっと個々人に近接的な在り方が実現しているのか。

やはり、以前書いたように、徐々に、「他者」との距離が縮まってきていると言えよう。このサービスが、「他者」とのコミュニケーションにおいて未熟な子供達が利用するようになると、また、ブログやプロフで起きたような中傷合戦や現実世界での不幸な事件に繋がっていくのであろうか。

鑑みるに、段階を経てコミュニケーションのフェーズやスキルをレベルアップさせていくということが、現代では、むしろ不自然になってきているのかもしれず、そうであるならば、人間の精神的な成長スピードが、ネット空間を前提とした「現実」で遭遇するところの、「他者」から求められるコミュニケーションレベルの多様さにマッチしないということであろう。

我々は、ネット空間を経由して接する「他者」を、つい一連の「情報」に埋没させてしまっているように思える。その先に生身の人間が息づいていることに鈍感になりがちである。それゆえに、Twitterのようなサービスで、気軽に、気安くコメントを書き、フォローするような行動がとれるのであろうが、その「他者」との「近接」的な関係を、現実世界に置き換えたときに、「異常な」コミュニケーションのフェーズを作り上げていることに気付かなくてはいけない。

ネット空間では、容易に「他者」とのコミュニケーションを開始することができるという気軽さの心理あるいは精神作用を、我々は大いに利用すれば良いだろう。それが、上記のように、ビジネス現場の革新を生むようなこともあるのだから。だが、その一方で、常に、現実世界に置き換えたときの節度について、その場合の「他者」との「近接」的な距離について、想像力を働かせなくてはならない。

世界のあらゆるモノを、容易に「情報化」してしまう現代に生きる我々の心理は、その二進数の先に、「デジタル」に回収できない「アナログ」な生身の人間が存在していることを忘れてしまいがちである。それは、テキストに対する暴力のみならず、作品や権利に対する暴力についても同様である。

月並みな意見になってしまうが、情報道徳、情報倫理について、より早い段階で対策を講じなければいけないのかもしれない。

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