2009/04/20

恐るべき小さきものたち

いつの間にか、あらゆるものが身体に密着して棲息するようになっている。音楽プレイヤー、電話、テレビ、DVD再生機、パソコンといった、かつては大きく、静止していたものが動き始めている昨今。人類が、技術の分野において、ミクロの世界へと突き進んでいくことで、モノの小型化を可能にし、持ち運び可能にしているのである。人類の夢の行き着く先は、四次元ポケットだろうか、ホイポイカプセルか。

こういった小型化の技術集積による製造を、ダウンサイジングというとのこと。随分前に気になっていた技術で、「KTN結晶」というNTTが開発した製品があったが、プロジェクタやレーザープリンタといった、かつても現在も大きなもの、静止しているものが、この技術によりダウンサイジングされ持ち運び可能になるということだった。

ふとアレはどうなったのだろうとググってみたところ、つい先月のことだが、研究用サンプルが販売されるというところまで行き着いているということで、今回掲載した次第。日進月歩の技術の進歩に今更ながら実感させられる。

上記の用語「ダウンサイジング」のリンク先にもあるように、小型化・高機能化は、著作権やプライバシー権など、権利侵害を招く要因ともなっている。とはいえ、他者の権利侵害が行われるのは、人の手によってである。技術自体が自発的であるというわけではない。

人に近しい存在となっていくこれらのモノは、情報の媒介や、情報の加工、原泉としての機能をもち、情報は他者とのコミュニケーションを前提として欲求される。これらのモノを通じて、我々は、その実、他者と近しくなっていっているのであり、そして、近しい者を傷つけることに鈍感になっているのかもしれない。

あるいは、先回書いたように「権利」もその見かけが、既存の価値観により大きく、静的・固定的になってしまっているのかもしれず、「権利」もまたダウンサイジングを必要とされているのだろうか。

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