2009/05/10

フェアユース、事例その1

先月、ラスベガスでミスUSAコンテストが開催され、その際の候補者の発言が波紋を呼んでいる。候補者はミス・カリフォルニアで、審査として行われたインタビューで、同性愛者の結婚を政府機関が認めるべきか否か問われ、彼女(Carrie Prejean)は自身の信条として結婚は男と女の間にのみ成立すべきだとテレビで答えた。

問題はその質問をした審査員のPerez Hiltonが自身のブログで彼女をこき下ろし、同性愛者の結婚に反対する団体であるNational Organization for Marriageがその両方のビデオを抜粋した広告を制作してテレビ放映したことに始まる。

Perez Hiltonは勝手に映像を使われたとして、著作権侵害を理由にこのテレビ広告の即時廃止を弁護士経由で通達し、ミスUSA側も同様の訴えを起こした。National Organization for Marriage側は抜粋はフェアユースに当たるとして全面的に反発している。

ビデオを見ればお解りの通り、使用されたビデオは1分間のCMの中のわずか7秒にしかなってない。逆にPerez Hiltonは、自身のブログでこの問題を扱ったCNNの報道を10分間にわたって丸々掲載している。専門家に言わせれば、著作権侵害の訴えはまったくのお門違いで、これがフェアユースに当たらないとすれば何がフェアユースなのかわからないそうだ。

このPerez Hiltonという人物は有名人のゴシップネタを扱う自身のブログで巨大な読者数を得とくしており、その影響力は小さくない。よって彼がミスUSAの審査員に選ばれたし、彼のCarrie Prejeanへの反論が大手メディアでも取り上げられた。

さらに、同性愛者の結婚を認めるか否かの問題はアメリカではヒートアップしていて、サンフランシスコを皮切りに既にいくつかの地域で同性の結婚が認められている。キリスト教信者が多い共和党支持者はこれに猛反対していて、憲法改正も視野に入れて同性愛結婚を禁止しようとしている。

Perez Hiltonはどうやら同性愛者のようで、Prejeanの発言に過剰反応したのだろう。そのPrejeanもまた、豊胸手術を受けたことなどを暴露された。それでも発言には後悔しておらず、現在はNational Organization for Marriageに入会しているらしい。

YouTubeも、一旦はテレビ広告を取り下げたものの、フェアユースに当たるとして再アップしている。アメリカのフェアユース規定が曖昧なために、しばしばこのようなことが起こる。

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