2009/04/21

EU議会のスリーストライク法への反対

昨年からフランス政府はISPに対して著作権侵害者への制裁措置を義務づける法律を作ろうとしていて、EU議会が拒否している。「世界でも最悪の著作権法」と指摘されるイギリス政府もこの動きに賛成で、フランスに追随する気配が大いにある。

来週にもサルコジ政府は著作権侵害の常習犯のネットアクセス遮断措置を盛り込んだ法律の再提出をすると見られているが、またまたEU議会がそれを阻止する条文をEUのテレコミュニケーション法に入れようとしているらしい。EU議会メンバーはフランスの抵抗さえなければ個人のネットアクセス遮断には裁判所命令が必要とする項目をこの法律に入れる事ができる。フランスの立場を支持しているEU加盟国はイギリスのみにとどまらず、イタリア、スウェーデンなども支持している。

EU議会議員でフランス社会党のガイ・ボノは、来月にも投票が行われて結果が出るとしている。EU議会は加盟国政府と違って良識を持ち合わせているようだ。これは議員が社会主義思想の政党出身者だからと単純に考えるのも違うとは思うが、昨年からEU議会はスリーストライク法は“ソ連スタイル”で、いずれP2Pシステムの禁止やスカイプの使用禁止に繋がると主張している。

著作権問題はにわかにまた盛り上がってきた。日本の文化庁でも有識者を招いての委員会をスタートさせた。アメリカではオバマ政権の著作権関連人事を巡って各種団体が声明を出し合って影響力を行使しようとしている。

金と力のあるコンテンツホルダー側の主張が全面的に通る結果とならないよう注視したいし、各国の法律家がバランスを取って文化の発展と社会生活の進化に役立つ結果を出す事を望んで止まない。


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