2011/01/18

番組のネット転送は「違法」=著作権侵害認める−テレビ局実質勝訴・最高裁

テレビ番組をインターネットで海外に転送するサービスが著作権法に違反するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は18日、転送業者による著作権侵害を認めた。その上で、サービスを適法とした二審判決を破棄、審理を知財高裁に差し戻した。
 訴えたテレビ局側の実質的な勝訴判決で、差し戻し審では損害賠償額などが算定される。転送サービスをめぐるこれまでの地裁、高裁判決では、判断が分かれていた。
 問題となったのは永野商店(東京)が「まねきTV」の名称で、海外の日本人向けに行うサービス。利用者は購入したソニーの映像送信機器「ロケーションフリー」を利用料を支払って永野商店に預託し、同社は機器をアンテナにつなぎ、ネット回線でテレビ番組をリアルタイム送信していた。
 番組送信の主体が、機器を購入した利用者か、管理した業者かが争点となったが、第3小法廷は、「機器が公衆用の電気通信回線に接続され、継続的に情報が入力される場合には、情報入力者が送信主体となる」との初判断を示し、入力設定していた永野商店が送信主体と認定した。
 被告側は、映像の送受信は機器と利用者のパソコンとの間で「1対1」で行われており、公衆送信には当たらないと主張。しかし、第3小法廷は「契約は業者との関係を問わず結ばれており、利用者は不特定の『公衆』に当たる」と判断し、著作権法で定めた公衆送信権などの侵害を認めた。
 NHKと在京民放5社が、サービス差し止めと損害賠償を求め提訴。一、二審は著作権侵害を認めず、請求を退けていた。

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