Pirate Partyとコンテンツ無料化
1999年のNapsterの誕生から始まったコンテンツの違法ダウンロード。そしてそれを合法化しようとする勢力と躍起になって押さえ込もうとするコンテンツの権利者団体の対決。10年が経過し、今年2009年を見ると、今後権利者側が勝利すると予想してもいいと思う。
権利者側はインターネットがもたらした無料化の流れとまだ戦っているが、インターネット上のコンテンツは無料だという認識はすでに固まっている。無料だからこそのインターネットであり、これを有料化にすることはインターネットを殺すことに繋がる。
権利者側はこれまでの収益モデルを変える必要がある。無料化の流れ、ユーザーニーズに抗わず、ビジネスを展開した企業は成功する。逆に無料化に逆行し、ニーズを遮断するような動きを見せる企業は失敗する。このことは過去10年間ではっきりしている。
コンテンツの権利者側が勝利するのは、インターネットで力を得た一般消費者のニーズにきめ細やかに答えたときとなるだろう。これまでの限られたチャンネルで莫大な利益を得ることはだんだん難しくなっていく。違法ダウンロードを処罰しても、違反者のインターネット接続を遮断しても、P2Pダウンローダーを訴追しても、それを守ることはできない。
しかし、ユーザー側が勝利することはない。すべてのコンテンツが無料になることはない。プロが製作する質の高いコンテンツは必要だし、質の高い優れた作品は無料であったとしてもお金を払いたいと思うからだ。優れた作品をキチンと評価すること、芸術性を理解すること、そうしたことができなければそもそもコンテンツ自体必要がない。人間性を失うことと言ってもいいと思う。
スウェーデンの海賊党が成長を続けている。EU議会の議席を獲得し、来年はスウェーデン国会の議席を狙っているという。面白いのは、49000人の党員のうち、90%は男性で、大半が20歳前後という点だ。根拠になっているのは、ウェブ上で無料で映画や音楽を楽しみたいという欲望だ。その利己的な感情を「真に自由な社会」などと結びつけている。海賊党に壮年以上の党員が希少で政党としての経験がないのは当然か。
